コラム

ウイルスや細菌による「食中毒」には、ご注意を!

ウイルスや細菌によって引き起こされる、「食中毒」。

特に高齢者の方は、若い人と比べて身体の抵抗力が弱く、食中毒にかかると下痢やおう吐が長引く傾向にあります。
脱水症状を引き起こしやすく、重篤化する恐れもあり、大変危険です。

今回は、特に秋口から冬場に増加傾向にあるウイルス性の食中毒について解説します。
それぞれの危険性と、身を守るための対策方法をお届けしていきましょう。


◆乾燥した時期にはウイルス性の食中毒に要注意◆

ウイルスは低温や乾燥に強いため、長い間生存できる秋から冬にかけて増えると考えられています。
中でも代表的な「ノロウイルス」は、食べ物などを通じて体内に入りこみ、1日から2日かけて腸内で増殖することで、おう吐や下痢、発熱などを引き起こすことに…。

特に原因となる可能性が高いのは、ノロウイルスに汚染されたカキやホタテ、しじみなどの二枚貝をはじめとする魚介類です。

また、汚れた場所を触ったことで、手指からウイルスが感染する場合もあります。
感染した方の唾液や排泄物、おう吐物などから容易に二次感染するので、体調管理はもちろんのこと、
排泄物や吐物の処理の仕方についても特に注意しましょう。

◆アルコールではなく次亜塩素酸ナトリウム水溶液を◆

新型コロナウイルスの感染予防で、人類の新たな生活様式の1つとなった「アルコール手指消毒」ですが、ノロウイルスの感染対策には適しません。
ノロウイルスには「次亜塩素酸ナトリウム水溶液」による排泄物や吐物の十分な処理が肝要です。
また、ドアノブや手すり、冷蔵庫の取っ手や蛇口など、素手で触れる可能性が高い箇所には、
アルコールではなく、次亜塩素酸ナトリウム水溶液による拭き上げを徹底しましょう。


◆こまめな手洗いで、食中毒を未然に防ぎましょう◆

食中毒の原因となるウイルスや細菌が食べ物に付着するのを未然に防ぐためには、こまめな手洗いが重要です。

調理前はもちろん、生鮮食品や卵に触れるタイミング、食卓につく前や残った食品を扱う前など、都度手を洗うように心がけましょう。

調理の途中でトイレに立ったり、鼻をかんだり、赤ちゃんのおむつを交換したり、ペットの頭をなでたり…
知らず知らずのうちに感染の原因となる行為をしていることがありますので、注意して下さい。

なお、ウイルスや細菌は、水だけで洗っても除去できない点には要注意。石けんやハンドソープを使って、手のひらから指先、爪の間まで、
しっかりと泡が行き届くように洗うのが効果的です。

オススメは石けんで30秒間もみ洗いした後、15秒間流水ですすぐこと。
30秒というと、誰もが知っている「ハッピーバースデーの歌」を2回繰り替えすと分かりやすいです。
この流れを2回繰り返すと、より安全性が高まります。


◆調理器具の扱い方にも注意。加熱もしっかりと◆

調理後のまな板や包丁にも要注意。洗剤で洗ったつもりでも、生鮮食品を切ったあとにウイルスや細菌が残っている可能性があります。

まな板や包丁は熱湯消毒や、洗浄・殺菌が重要。調理が終わったらシンクを洗剤で洗い流すことも忘れずに。
ほかにも、菜箸は使いまわさない、保存時にはラップをかけて冷蔵庫に入れるなど、気をつけたいポイントは多数あります。

また、ウイルスや細菌は加熱することによって失活するので、肉や魚は中心部までしっかり加熱しましょう。
当然ながら、「生食用」でない牡蠣などを生で食べるなども絶対に避けるべきです。


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